週一でできる工夫
毎朝鳥たちの食事を準備することは、楽しくもあり、忙しい朝は慌ただしくもあり。
そんな日々の中でも時間をかけずにバラエティ豊かなごはんを提供できるよう、休みの日に1〜2週間分をまとめて準備しておくと飼い主さんの負担が減らせます。
昨日の講義(次の記事で詳細を書きます)が終わりほっとひと息、講義の中でもお話した『週に一度』の頻度でできる工夫のひとつです。
ミックスシードはその時のフィーリングでブレンド。
今回はぽんせん、そば、レモンバーム、レモングラス、大豆、大麦、オーツ麦、とうもろこし、キヌア、アマランサスなど。
ボンにはちいさなシードも粟穂入りで。
栄養価が低いからといって、シードを選択肢からなくすことはしません。
ハーブも新しく挽きました。
ローズマリー、レモングラス、レモンバーム、セイロンシナモン、ビーポーレン、ローズヒップ、バジル、オレガノ、セージ、タイムなど
ナッツも小さく切っておきます。
今はお預かりの子がいるので多めに。
青パパイヤの葉をちぎったものや、クッキーの端っこもパクパク食べるわけではありませんが、アクセントになるので用意しておきました。
容器は昔から愛用している、セリアの小瓶。
密閉できて開けやすく、いくつも買えるお値段でとてもおすすめです。
これで忙しい朝でも楽しい食事を簡単に用意できます。
無理せず、できる範囲で、ちょっとの工夫をしてみましょう♪
契約農場HappyFarmのご紹介
Sunny Kitchenでは無農薬栽培にこだわる農場”HappyFarm”さんと契約をさせていただいています。
HappyFarmのオーナーさんは、小動物・鳥・犬たちに囲まれた動物大好きご一家さんです♪
動物看護士や愛玩動物飼養管理士、BLAなど多岐に渡る資格をお持ちで、私も色々と学ばせていただいています。
HappyFarmさんのこだわりは土づくり。
化学肥料は野菜の生長に即効性がありますが、土中の微生物の餌にならないため土はどんどん栄養不足になってしまいます。
そして病気も害虫も増えてしまうという悪循環が起こります。
それが連作障害の原因となるため、HappyFarmさんではそのような土を使わずに栽培しています。
この夏には、青々とした爽やかな青パパイヤの葉が畑一面を覆いました。
収穫後の新鮮な状態で乾燥させたものを直送していただき、緑黄色野菜チップに混ぜて発売しました。
青パパイヤの葉は消化を助ける酵素や抗酸化作用を含む、食物繊維豊富な植物です。
小動物や鳥の食事に取り入れたい食材のひとつです。
HappyFarmさんでは今後も様々な農作物を育てていかれます。
野菜や雑穀など、どんな素敵な作物に出会えるか楽しみです。
Sunny Kitchenでご紹介できる日を心待ちにしていてくださいね♪
長生きできる食事とは
食事を長生きという言葉で簡単に括ることは少し苦手です。
というよりは、ナンセンスなのかもしれません。
まずその前にひとつ。
間違えないでおきたいのが、
『命を守る』(飼い主が)
ことと、
『長生きする』(動物が)
ことは全く違うことです。
命を守ることに関心が低い割に、長生きしてほしいと願ってはいないでしょうか。
鳥に限らずあらゆる動物において、どうも気になる点です。
あれが良いこれは悪いという情報には敏感でありながら(根拠が曖昧であったり、実際の影響が示されていないにもかかわらず)、ロストや事故がこんなにも多いことがその矛盾を物語っている気がしてなりません。
オーガニック食を良いと言いつつ外を歩かせたり飛ばせたり、なんて言うとわかりやすい例えでしょうか。
”万が一ロストした時のために”
これは一見リスク管理に聞こえますが、動物の命を守る側に保険をかけている側面も持ち合わせます。
このような認識に違和感がないうちはロストが減らないかもしれません。
万が一の使い方がちょっと違うように思います。
まあ隕石が家を直撃したらロストは免れないかもしれないので、100%防げるとは言えませんが。
さて本筋に戻り、
はっきり言って、何を食べても長生きする個体はいますし、何を食べても長生きできない個体もいるのは事実です。
健康を意識すれば必ず長生きできると信じている人にとっては、あまり考えたことがないことかもしれません。
生命の長さはひとつの要素では決まらないと、獣医師も仰っていますね。
命を見送ってきた経験から言えることですが、もうこればかりは生き物なのでどうしようもないことで。
それと、健康に良いとされているものでも、体質に合わない場合もあります。
それは切ないかな、私自身が自分の体で証明しており、健康寿命を延ばすとされるある食材を摂取すると体調を崩すことがあります。
あれ、そうすると長生きできる食事とはなんぞや?
何でもかんでもいい、というわけにもいきません。
それではなぜ健康を考慮した食事が必要なのか。
それは”生まれもった生命力におけるリスク軽減のため"と考えてみると、色々と腑に落ちやすいことに気付きます。
逆に言い換えれば、”生きるうえでのメリット増幅”のために食事選びがあっても良いとも考えることができます。
なんだかまどろっこしくてごめんなさい。
何が生きることにプラスでマイナスなのか、栄養素だけで語れるでしょうか。
生きる喜びとはなんでしょうか。
「あなたの推奨する食事は長生きできると証明されているのか。あるなら取り入れたい」という質問を受けたことがあります。
全てにエビデンスがないと物事を選択できないことは飼育を難しくさせます。
逐一細かく体に良いか悪いかを論じたところで、良いものでも食べ過ぎればNGですし、悪いものがどれだけ悪いかの検証レベルがわからないで論じてもあまり価値はないように感じます。
(即命に関わる毒性は別として)
その成分だけを意図的かつ極端に抽出した動物実験と、生活のなかでの曝露量(摂取量)はイコールではありません。
昔流行った、買ってはいけないという本と、買ってはいけないを買ってはいけないという本を思い出しました。
結局は水掛け論になってしまう面もあります。
現在私は国内外の学会で論文発表をしたり特許を複数取得している研究者のチームで働いており、論文に触れる機会がよくあります。
論文の定義は、
『ある研究テーマに関する事象を調べるために、客観的な文献や資料を幅広く集め、それらを分析・考察した結果に基づき、自分の意見をまとめた文章である』
です。
論文は研究費のかけ方に幅がありますし、総評がふんわりしたものも結構あります。
”~の可能性がある”とか”今後の動向に注目”など、これが絶対なのだと強く言い切るというよりは、意外と考察ちっくです。
そのため必ずしも論文が絶対的な証明になるとは限りませんし、それを用いて更に検証実験を繰り返すものともいえます。
つまりいくら論文で論じられているからといって、あくまで可能性の検証のひとつに過ぎない場合も往々にしてあるのです。
論文で示されていると聞くと確固たる内容なのだと感じがちですが、ちょっとイメージが変わりませんか?
その中でも、獣医師が私達に共有してくださることは信用性があるという判断でよいと思います。
しかも裏話をすると、研究費やポジションを維持するために論文のノルマがありますので、、、ゴニョゴニョ
それを踏まえると、長生きできると証明された食事、という視点が少々難解であることが少し伝わりますでしょうか。
そもそも同じ量を食べても個体ごと代謝の違いがあるくらいですし、仮に検体で何かしらを論じたとしてあなたの愛鳥がそれに当てはまるでしょうか。
これは忘れないでおきたいところです。
それでも、これが良くて悪くてと示してくれた方が安心する飼い主さんがいることは理解します。
しかし不安を煽る表現が過剰ではないか、それを利用した誘導ではないか等、受け手が冷静に判断できないことには、間違った情報を鵜呑みにして不用意に広め、回り回って誰かを風評被害に晒してしまう危険性があります。
果たして人が情報に飛びつくとき、そこまでの想像力をもてるでしょうか。
私は研究者でも医師でも獣医師でもないので、安易に飼い鳥の食事の全てをわかったように論じることはできません。
ただ、かかりつけ医や名前をよく知る獣医さんの発信にて勉強させていただいたことを愛鳥家として自身の愛鳥の飼育に活かしたり、同じ愛鳥家として皆さんから学んだことを取り入れさせていただくなかで、命を守ることや愛鳥が幸せを感じる時間が増えることについては差し支えない範囲でご提案できればと思っています。
数ある中から選択するのは飼い主さんであって、飼い主でない他人が責任をもつことは難しいです。
いや、すべきではないのかもしれません。
で、結局長生きできる食事は何なの!
と怒られそうなので具体的に述べるとすれば、人間と同じで、
脂っこいものを食べすぎず、量も食べすぎず、どうやら良さそうと言われるものも含めバランスよく色々食べる、
それでいいと思います。
あれっ、エビデンスなんかなくても皆さんわかっていることでしたね。
その中にちょっと違う食感のものがあったり、刺激的な風味を感じたり、なんだか面白そうな形だったり、そんなものが選択肢の一つとしてあってもいいのではないでしょうか。
そして住環境を整え、可能な範囲でよく動き、しっかり休み、定期的な体重管理と健康診断を行う、それが基本ではないでしょうか。
多少の食事量・内容や体重の変動があったとしても、一年を通して、また年齢のステージに応じて、元に戻したり調整していけばよいのです。
何かを妄信するよりも、よーーーく愛鳥をみること、見逃さないこと、その方が重要です。
飼い主のあなたが一番愛鳥のことをわかっていてほしいです。
それが長生きの秘訣のひとつに思います。
ペレットの良し悪し
もう議論し尽くされていたと思っていますが、もう一度ペレットの良し悪しについて記述してみます。
まず前提として私個人としては、肯定でもあり、肯定でもなく、否定でもあり、否定でもありません。(なんじゃそりゃですが)
まず肯定ではない理由から。
・人工的に作られたものである
・食味や形状が画一的で食べる楽しみに欠ける
・安全性が不透明(原材料、製造過程、輸送環境、保管環境)
次に否定ではない理由です。
・選り好みによる栄養素の偏りを最小限に留められる
・災害時に備え多めにストックでき、すぐに持ち出せる
・日本の獣医師の多くが推奨している
・処方食を要する場合に切り替える難易度が下がる
・実際に与えている飼い主さんによる愛鳥の健康状態の評価
※人間側の都合である、扱いが楽である等は理由に入りません。
概ねこのような点を挙げています。
なので講座では、”ペレット信者になる必要はない”という表現を昔からしています。
では私自身はどうかというと、愛鳥2羽ともペレットと自然な食材で育ててきて、ペレットは5~7割を目安にしています。
一番大きな理由としては、自身の感触と周りの愛鳥家さんの声です。
自身の感触として、幼少期にしっかりフォーミュラ(粉状の幼鳥用ペレット)のみで育てたヒメコンゴウがとてもいい骨格で育ち、コミドリともども羽艶を褒められることが多かったです。
また周りの愛鳥家さんの声としては、”やっぱりペレット食の子は羽艶がいいね”や、”ビタミンミネラルが添加されていないペレット(某・緑色のナチュラル系のペレット)をメインにしたらいつもより体調がイマイチだった”という声がありました。
あくまで飼い主さんそれぞれの感じ方なので鵜呑みにはしていませんが、していないからこそ落ち着いた割合といえます。
ペレットを推奨する獣医さんが多いなか、獣医さんに疾患と食事内容の影響を指摘されたときに、飼い主さん自身が自信をもって答えられるなら100%手づくり(自然な食事)でもいいでしょう。
ただ、答えに困ったり結果後悔するくらいなら、あまり極端に傾倒しない方がいいかもしれません。
誰かの受け売りや読みかじりではなく、自身の知識で説明できる自信があればいいと思うのです。
ただ、この先何かしらの理由でペレット食にする必要が生じたときに、ペレットを普通に食べられないことはリスクです。
切り替えが困難であることは愛鳥にも飼い主にもストレスです。
生き物は思いもよらぬ疾病に見舞われる可能性が常につきまといます。
また、飼い主さんの身に何か起こり(病気、事故、被災など)、誰かの助けを必要とするとき、飼い主さん以外の人が与えても鳥にとって違和感(ストレス)が少ない給仕内容が望ましいことを考慮しても、ある程度の割合を総合栄養食にしておくメリットはあるともいえます。
そのあたりも天秤にかけて納得できるバランスを選択したらよいのではないでしょうか。
物理的にも精神的にも大切なのはバランスです。
そして最後の論点、”ペレットなら長生きできるのか”
私の一番好まない論点ですが。笑
これについては次の記事で書くことにします。
アクリルアミドについて
アミノ酸の一種であるアスパラギン酸と還元糖を含む食品を長時間にわたり高温調理することで、アクリルアミドという有害物質が発生することがわかっています。
特に高数値を検出し問題視されたのはポテトチップスですが、発生する可能性がある食物として野菜や豆、コーヒーや茶など焙煎されたもの、小麦を使用した菓子、また家庭で通常に調理する過程でも発生するとされています。
動物実験では有害性が認められていますが、食品として摂取し続けた場合の影響は明示されていません。
害と聞くと避けた方がいいとイメージしますが、有害かどうかは”曝露量”を無視しては語れません。
曝露量とはその有害物質にどれだけ曝されるかというもので、有害物質=危険とは単純に結べません。
例えば塩であっても水であっても、一度に大量に摂取すると命を落とすというとわかりやすいでしょうか。
そして、生物には排毒作用や抗酸化作用といった機能が備わっています。
アクリルアミドに関しても、摂取後3割以上は自然に排出されることがわかっています。
がんになる食べ物と聞くと、それを食べただけでがん細胞が生まれると思いがちですが、がん細胞は何をせずとも体内で毎日作られていて、都度免疫細胞が対処しています。
それでは鳥に与える食品や手作り食における、アクリルアミドのリスクについて考えてみます。
結論として言えば、大きなリスクは考えられにくいが予備知識として今後の動向に注視する、が現時点での個人的な見解です。
農水省のウェブサイトにおいて、いくつかの食品におけるアクリルアミドの検出量を公開しています。
前述したポテトチップスは突出して大きな数値が検出されていますが、愛鳥の食事に使用する可能性のある食品については比として小さく、また製造メーカーやロットによってはさらに数値が下がるなどばらつきがあります。
ペレットや様々な食材を使用したクッキーやブレッドについては、アスパラギン酸と還元糖の含有量が不明瞭であることと、人により調理方法(結果)に差があるため、絶対安全とも絶対危険とも言い切れないところが正直なところですが、即時健康に問題を生じさせるものではないことは某獣医師の見解を鑑みても示せると考えています。
どんな食事であっても多角的な面をもちますので、メリットとリスクを天秤にかけての判断にもなるでしょう。
愛鳥のための健康手づくりごはんでのレシピも、それに準じた判断となります。
Sunny Kitchenで現在販売しているクッキーやグラノーラは、最小限の温度設定にて加熱し、中心部までしっかり水分を蒸発させる必要がある形状については低温の70℃以下にて処理を行っています。
食品衛生基準をクリアしながら(検査済み)、食材の風味も残しつつ、長期間の保存を可能にしています。
乾燥野菜や果物も同様に、低温でじっくり安全なレベルまで水分を抜いています。
一部の製品に使用している煎り大豆やきなこについてはアクリルアミドの検出量が目立って多いわけではありませんが、たんぱく質量の調整としても製品における使用量を最小限に留めていることと、基本的に長期間同じ食品を摂取し続けるよりもローテーションで変えていくことを推奨していることを踏まえ、大きな影響は極めて低いと判断しています。
しかし今後新しい見解が獣医師より示された場合は、安心安全を第一に判断していきます。
即時中毒を起こすような食品や物質については勿論細心の注意が必要ですが、曖昧ながらに不安を感じる情報を目にしたときは、ご自身で冷静に調べてみると腑に落ちる部分を見つけられたり、着地点の糸口が掴めるのではないでしょうか。
例えば農薬や添加物についても同様で、一度は良し悪しの両面を覗いてみることをおすすめします。
そのうえで、ご自身なりに採択していかれるのが最善かもしれません。
答えは必ずしも0か100でなくてもいいと思います。
おまもりハーブが仲間入りしました
愛鳥の”おまもり”になってくれたら・・・
そんな想いをこめて、おまもりハーブブレンドをつくりました。
もしよろしければ覗いてみてください。
試作をはじめてからというもの、部屋の中はハーブの香りが漂っています。
(アロマ製品のように精油成分やアルコールが揮発し吸い込むものではないので、動物たちには無害です)
おすすめはブレンドですが、単品のハーブもいくつかご用意しました。
プラスしてみたいけど合うかわからない、という方は少量からお試しいただけます。
医薬品ではないため効能の記述が難しいところなのですが、イメージが過剰になりすぎないよう一般的な情報を記載しています。
個人的には、ハーブティーを飲んで眠ると気持ちが安らぐのはもちろんですが、翌朝の利尿作用に驚きます。笑
とてもすっきりします。
一杯飲んだだけで、何も効果がないわけでないことがわかりますね。
ぜひハーブの恵みを生活に取り入れてみてください♪
総合栄養食(ペレット)の必要性
飼い鳥の飼育において、ペレットやフォーミュラと呼ばれる総合栄養食がだいぶ浸透し、鳥の専門店、鳥を診られる動物病院、鳥の生態を取り扱っているペットショップやホームセンターでも見かける機会が増えました。
以前は海外製品がメインだったものの、近年は国内メーカーも製造をはじめ、日本における総合栄養食の認識は向上しているといえます。
昔は殻付きの種子を与える飼育方法が主流でしたが、種子のみでは欠乏する栄養素があることが総合栄養食が普及した一番の理由といえるでしょう。
その他にも、総合栄養食を食事に取り入れるメリットは”命を守る視点”からも重要な点がいくつかあります。
今回はそれらをお伝えします。
・選り好みによる栄養素の偏りを防ぐ
ミックスされたシードや、様々な食材を用いた手作りの食事では、愛鳥自身の好みにより食べる部分と食べない部分が選り分けられます。
また、必要な栄養素を網羅したバランスで毎日手作りすることは現実的ではなく、知識と緻密な計算を要します。
総合栄養食はまるごと食べることで必要な栄養素を体内に取り込むことができるため、
栄養素の欠乏や偏りを防ぐことができます。
・処方食が必要となった時に対応しやすい
寿命が延びている分、疾病のリスクと隣合せなのは仕方のないことですが、症状により病院から処方食への切り替えを勧められる場合があります。
例えば肝機能や腎機能の改善を目的とするものや、アレルギーや肥満の対策として必要となる可能性もゼロではありません。
そうした際に、今まで一度も総合栄養食を食べたことがない個体がいきなり切り替えることは、難しい傾向にあります。
鳥たちは色や形、食感に対しとても繊細な感覚を持ち合わせていますので、
場合によっては、治療を要するほど体力が落ちている状況で食事の切り替えも同時に行うことは愛鳥への肉体的・精神的な負担も懸念されます。
総合栄養食に普段から慣れているからといって処方食へスムーズに切り替わるとは限りませんが、全く馴染みがないよりは愛鳥への負担が軽く済むかもしれません。
・消化負担が少ない
様々な理由から、消化機能が落ち治療を要する可能性があります。
食べたものがきちんと消化されずに排出される未消化便がみられる場合など、獣医師から総合栄養食への切り替えを勧められることがあります。
実際に吐き戻した内容物をみると、種子はまだ形を留めているのに対し、総合栄養食は既にペースト状にすり潰されていることがわかります。
鳥を診られる病院でも、未消化の状況がみられる場合はペレットへの切り替えを勧められます。
前項の記述と同様、医療的な観点から食事内容の変更を要するときに、少しでもスムーズに切り替えられることは愛鳥の心と体の負担を軽減することに繋がります。
・災害などによる避難時に対応できる
島国である日本は、どこに住んでいても常に災害の危機に晒されています。
ほぼ確実視されている巨大地震、噴火(いずれも明日起こってもおかしくないといわれています)、それに伴う二次災害(停電、火災、津波、交通網の麻痺等)、日常においても火事等が発生する可能性もゼロではありません。
いざ緊急避難を要したときに、いつも食べているものがすぐに持ち出せる形状であること、そしてすぐに持ち出せる準備をしておくことは大変重要です。
避難生活や交通網が麻痺した状況で、今まで通りの飼料を入手することは難しいと考えた方がよいでしょう。
回復までに数週間~数か月かかる場合もありますので、以前のブログ記事でもお伝えしたように、常に+1袋をキープするローリングストックを強くおすすめします。
しかし種子やそれ以外のフードにも、食べる楽しさや愛鳥が好む味わいというものがあり、決して悪い面だけではありません。
リスクばかりを重視し、単調な食事にしてしまうことは決しておすすめしません。
何事もバランスが大切です。
愛鳥の食の楽しみを尊重しながら、どちらも適度に取り入れることが望ましいのではないでしょうか。
ペレットへの切り替えのコツについては、また別の記事でご紹介いたします。