アクリルアミドについて

アミノ酸の一種であるアスパラギン酸と還元糖を含む食品を長時間にわたり高温調理することで、アクリルアミドという有害物質が発生することがわかっています。

 

特に高数値を検出し問題視されたのはポテトチップスですが、発生する可能性がある食物として野菜や豆、コーヒーや茶など焙煎されたもの、小麦を使用した菓子、また家庭で通常に調理する過程でも発生するとされています。

 

動物実験では有害性が認められていますが、食品として摂取し続けた場合の影響は明示されていません。

害と聞くと避けた方がいいとイメージしますが、有害かどうかは”曝露量”を無視しては語れません。

曝露量とはその有害物質にどれだけ曝されるかというもので、有害物質=危険とは単純に結べません。

例えば塩であっても水であっても、一度に大量に摂取すると命を落とすというとわかりやすいでしょうか。

 

そして、生物には排毒作用や抗酸化作用といった機能が備わっています。

アクリルアミドに関しても、摂取後3割以上は自然に排出されることがわかっています。

がんになる食べ物と聞くと、それを食べただけでがん細胞が生まれると思いがちですが、がん細胞は何をせずとも体内で毎日作られていて、都度免疫細胞が対処しています。

 

それでは鳥に与える食品や手作り食における、アクリルアミドのリスクについて考えてみます。

結論として言えば、大きなリスクは考えられにくいが予備知識として今後の動向に注視する、が現時点での個人的な見解です。

 

農水省のウェブサイトにおいて、いくつかの食品におけるアクリルアミドの検出量を公開しています。

前述したポテトチップスは突出して大きな数値が検出されていますが、愛鳥の食事に使用する可能性のある食品については比として小さく、また製造メーカーやロットによってはさらに数値が下がるなどばらつきがあります。

 

ペレットや様々な食材を使用したクッキーやブレッドについては、アスパラギン酸と還元糖の含有量が不明瞭であることと、人により調理方法(結果)に差があるため、絶対安全とも絶対危険とも言い切れないところが正直なところですが、即時健康に問題を生じさせるものではないことは某獣医師の見解を鑑みても示せると考えています。

どんな食事であっても多角的な面をもちますので、メリットとリスクを天秤にかけての判断にもなるでしょう。

愛鳥のための健康手づくりごはんでのレシピも、それに準じた判断となります。

 

Sunny Kitchenで現在販売しているクッキーやグラノーラは、最小限の温度設定にて加熱し、中心部までしっかり水分を蒸発させる必要がある形状については低温の70℃以下にて処理を行っています。

食品衛生基準をクリアしながら(検査済み)、食材の風味も残しつつ、長期間の保存を可能にしています。

乾燥野菜や果物も同様に、低温でじっくり安全なレベルまで水分を抜いています。

 

一部の製品に使用している煎り大豆やきなこについてはアクリルアミドの検出量が目立って多いわけではありませんが、たんぱく質量の調整としても製品における使用量を最小限に留めていることと、基本的に長期間同じ食品を摂取し続けるよりもローテーションで変えていくことを推奨していることを踏まえ、大きな影響は極めて低いと判断しています。

しかし今後新しい見解が獣医師より示された場合は、安心安全を第一に判断していきます。

 

即時中毒を起こすような食品や物質については勿論細心の注意が必要ですが、曖昧ながらに不安を感じる情報を目にしたときは、ご自身で冷静に調べてみると腑に落ちる部分を見つけられたり、着地点の糸口が掴めるのではないでしょうか。

 

例えば農薬や添加物についても同様で、一度は良し悪しの両面を覗いてみることをおすすめします。

そのうえで、ご自身なりに採択していかれるのが最善かもしれません。

答えは必ずしも0か100でなくてもいいと思います。