もう議論し尽くされていたと思っていますが、もう一度ペレットの良し悪しについて記述してみます。
まず前提として私個人としては、肯定でもあり、肯定でもなく、否定でもあり、否定でもありません。(なんじゃそりゃですが)
まず肯定ではない理由から。
・人工的に作られたものである
・食味や形状が画一的で食べる楽しみに欠ける
・安全性が不透明(原材料、製造過程、輸送環境、保管環境)
次に否定ではない理由です。
・選り好みによる栄養素の偏りを最小限に留められる
・災害時に備え多めにストックでき、すぐに持ち出せる
・日本の獣医師の多くが推奨している
・処方食を要する場合に切り替える難易度が下がる
・実際に与えている飼い主さんによる愛鳥の健康状態の評価
※人間側の都合である、扱いが楽である等は理由に入りません。
概ねこのような点を挙げています。
なので講座では、”ペレット信者になる必要はない”という表現を昔からしています。
では私自身はどうかというと、愛鳥2羽ともペレットと自然な食材で育ててきて、ペレットは5~7割を目安にしています。
一番大きな理由としては、自身の感触と周りの愛鳥家さんの声です。
自身の感触として、幼少期にしっかりフォーミュラ(粉状の幼鳥用ペレット)のみで育てたヒメコンゴウがとてもいい骨格で育ち、コミドリともども羽艶を褒められることが多かったです。
また周りの愛鳥家さんの声としては、”やっぱりペレット食の子は羽艶がいいね”や、”ビタミンミネラルが添加されていないペレット(某・緑色のナチュラル系のペレット)をメインにしたらいつもより体調がイマイチだった”という声がありました。
あくまで飼い主さんそれぞれの感じ方なので鵜呑みにはしていませんが、していないからこそ落ち着いた割合といえます。
ペレットを推奨する獣医さんが多いなか、獣医さんに疾患と食事内容の影響を指摘されたときに、飼い主さん自身が自信をもって答えられるなら100%手づくり(自然な食事)でもいいでしょう。
ただ、答えに困ったり結果後悔するくらいなら、あまり極端に傾倒しない方がいいかもしれません。
誰かの受け売りや読みかじりではなく、自身の知識で説明できる自信があればいいと思うのです。
ただ、この先何かしらの理由でペレット食にする必要が生じたときに、ペレットを普通に食べられないことはリスクです。
切り替えが困難であることは愛鳥にも飼い主にもストレスです。
生き物は思いもよらぬ疾病に見舞われる可能性が常につきまといます。
また、飼い主さんの身に何か起こり(病気、事故、被災など)、誰かの助けを必要とするとき、飼い主さん以外の人が与えても鳥にとって違和感(ストレス)が少ない給仕内容が望ましいことを考慮しても、ある程度の割合を総合栄養食にしておくメリットはあるともいえます。
そのあたりも天秤にかけて納得できるバランスを選択したらよいのではないでしょうか。
物理的にも精神的にも大切なのはバランスです。
そして最後の論点、”ペレットなら長生きできるのか”
私の一番好まない論点ですが。笑
これについては次の記事で書くことにします。